こんな夢を見た
僕らは小さな無人駅に追い詰められた。
壁面にいくつかある謎解きのような仕掛けを解けば逃げられるが、線路をつたって人型の何かが追いかけてくる。追いつかれたら終わりだ。
1番頭のいいオネエ(♂)が必死に考えてくれているが、いっぱいいっぱいになっていて、少しヒスを起こしかけている。いつだったか、僕のようなタイプが好きだと笑ってくれていた笑顔は見る影もない。
1番若い高校生くらいの女の子と、その子の同級生かつ彼女に片思いしているらしい男の子は怯えてばかりで役には立たない。
僕も駅をぐるぐると回るが、まったく解けない。
戸惑っているうちに貨物列車が通り過ぎ、その後に“何か”がやってきた。僕らは全滅した。
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気がつけば僕らは駅にいた。追い詰められてヒステリックに叫ぶオネエ、怯える若い男女、無力な僕。
どうやらこの駅に閉じ込められて“何か”に追いつかれるまでの時間を繰り返していることに気づいたのは僕だけらしい。
さっきまでと同じならば、“何か”がやってくる前に貨物列車が通過する。僕が飛び込むでもいい、なんとかして止めて乗せてもらおう。他の3人だけでも脱出してほしい。僕は動き出した。
ヒステリックを通り越して恐慌状態のオネエを優しく抱きしめ、貨物列車のことを話す。助かるのならば、と聞いてくれた。
怯える2人も呼び寄せてオネエと僕、若い2人でそれぞれ肩を抱き合い列車を待つ。
遠くからかすかに走行音がし始め、やがて大きくなった。あわてて僕はホームから身を乗り出す。少しホームからオーバーしつつも列車は止まってくれた。
1番近い貨物タンクに飛び乗り、先頭車両へと辿り着いたが遠隔操作されていて人は乗っていなかった。無人のまま動き出す。
遥か彼方の後方から“何か”が追いかけてくるのが見えるが、距離が離れていく。よかった、逃げきれた。
そう思ったのも束の間、ふわりと落ちる感覚。下は海。水面にぶつかる…
その瞬間目が覚めた。